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2009年2月17日 (火)

シミュレーション

ブログは、広くみなさんに読んでもらうもの、と承知しておりますが、やはり専門的な言葉も少し(?)用いながら書いていくことにします

突然ですが、飛行機の安全を検証するとき、飛行機1機の衝突試験をすることを想像してください。お金がかかりますね。 このような実験を、実際行わないで安全性の追求ができないか、ということを研究者たちは考えました。 数学的に。

物体の表面の硬さ、厚み、密度、重さ、速度、摩擦...などなどを要素として代入した計算式によって、実際に壊さずして、予想するというものです。これは歯科医学の研究にも存在します。

"ここで噛むと、噛んだ食べ物の硬さなどはこうだから、顎に付着する筋肉の力、ベクトルはこうなので、関節にはこんな力がかかる"

"奥歯には力がこれだけ加わって、前後の歯の健康状態(例えば揺れてる)はこうだから、何々の材料を用いると壊れる可能性がある"

などのシミュレーションができる可能性があるわけです。コンピュータ画面上で。

有限要素法という手法を用いて、いろいろな研究機関で、歯科材料に関する、あるいは材料にとどまらず、歯自体を壊さないための人工修復の形態なども調べられてきています。

"機能と形態" 研究者として没頭した頃の、客観的な目を忘れずに最新医療を提供していきたいと思っております。

大竹貫洋