2010年3月 1日 (月)

歯は咬合時に動いています。その2

本日もまた、歯の変位の続きをご紹介していこうと思います。

 

 

前回お話したように、正しい咬合調整のゴールを求めて歯の変位の研究が始まりました。

 

 

咬頭かん合位における噛みしめ時に、上顎臼歯は主に口蓋方向あるいは口蓋側歯根方向に、下顎臼歯は舌側方向へ変位をすることが報告されています。

 

 

つまり咬合する時に上下顎の歯列弓が小さくなるように、すなわち各歯のコンタクトが密になるようにそれぞれの歯は動いているのです。

 

 

この歯の変位量は咬合力が増加するにつれて大きくなりますが、その関係は正比例の関係にはなっていません。

 

 

まず、1kg以下のわずかな荷重量で歯は大きく変位し、その後は緩やかに変位量が増加します。

最初の急激な変化は歯根膜の変形に起因し、それ以降の緩やかな変化は主に骨の歪みに由来していると考えられています。

 

 

このようにほんの小さな力で歯が大きく変位することも、口腔内と石膏模型の咬合接触状態が異なることの一因となっているのです。

 

 

また、前述のように歯が変位することは、上下顎臼歯の位置関係が咬合力が増加するにつれて変化する可能性があると考えられ、噛みしめ強さの変化によって咬合接触点がどう変化するかということを調べた報告があります。

 

この報告に関してはまた後日お話させていただければと思います。

 

 

オオタケデンタルオフィス 小椋麗子 

2010年2月22日 (月)

歯は咬合時に動いています。

今回から大学で行われている基礎研究についてご紹介していこうと思います。

 

私が研究している内容は、機能時の歯の微小な動きに関することです。


クラウンを作製したとき、どのように咬合接触を与えればよいのかというところを目的に始まりました。


そもそも間接法でクラウンを作製した場合には200?300μm高く出来上がることがわかっています。


それは印象時の歯列弓の形状の変化、歯周組織の持つ粘弾性、さらに印象時、咬合採得時、石膏模型作製時、ワックスパターン作製時、埋没・鋳造時、の各過程での材料の膨張収縮、咬合器装着の誤差、等が原因と考えられています。


咬合していない状態でも開閉口時に骨は歪んでいるのです。印象採得は開口して行われるのでそれだけでも誤差が生じてくることが明らかです。


また、歯周組織の持つ粘弾性、つまり印象圧による変形ももちろん再現できず誤差につながります。


ほかの材料的なエラーを含めて考えると、結局どんなにテクニカルエラーをなくしても、200?300μmは高い補綴物が出来上がるのです。つまり、必ず咬合調整が必要になります。


咬合調整する際に、最終的なゴールをどこに設定するのか。


咬合性外傷を起こさないようにするための、あるいは歯根膜の廃用性萎縮を起こさせないようにするための、歯周組織に調和した咬合とはいったい何なのか。


これを知るために、まずは歯が機能時にどういった動きをするのかということが調べられるようになりました。


歯根膜や歯槽骨が、咬合によって歪み、そのため機能時に歯が動いていることがこれまでの数々の研究で明らかにされています。

歯の変位に関する研究内容については次回以降詳しくお話させていただければと思います。


小難しい話なのに長くなってしまいました。

 

今後もう少しスマートにまとめていければと思います。


オオタケデンタルオフィス 小椋麗子 


2010年2月18日 (木)

歯科衛生士 急募!!!

当院では歯科衛生士を募集しております。

 

予防、インプラント、審美歯科、再生等広く、深く取り組んでおります。

 

このほか、老人介護における口腔衛生にも重点的に力を入れております。

 

やる気のあるスタッフ、募集しております。

 

詳しくは、t.otake@o-dent.com までメールをしてください。

 

 

2010年2月10日 (水)

歯の根の治療

さて、1ヶ月もあいてしまいましたが、時間ができましたので、歯の根の治療に関して少しだけ書きたいと思います。

 

歯の根の治療、これは大変難しいです。

 

なぜか

 

それは歯の根の形態がとても複雑であること、直視しにくいこと、などがあげられます。

 

"ここに何かがあるはず"という脳がなければ、つまり深い知識をもって治療に臨まないといい結果が得られないですし、思い込みだけで治療をすると、失敗して必要以上に削ってしまったり

 

インプラントの治療本数が多い医院は、インプラントの専門性がたかいのかも知れません。

 

でも、歯を抜かずに治療することで、インプラント適応症例は減るはず。

 

当院は、比較的インプラント症例数は多いと思いますが、日々の診療において、インプラントになってしまうことのないような努力をしたいと思っております

 

今日も、こば歯科の木庭先生が遊びに来てくださいました。 月末の共同オペの打ち合わせです。

2回目の打ち合わせです。埼玉からわざわざ...

インプラントは1本、ですが、木庭先生は本当にマジメ。

 

ひとつの病態を、いろいろな角度で議論するのはとても大切なことです。

 

 

大竹貫洋

 

 

 

 

2010年1月 9日 (土)

明けましておめでとうございます

今年は、私自身が厄年ということもありまして、年頭に想うことが大変多かったです。

厄年には、派手なことをしない、地味に地道に、与えられた仕事をこなしていく、ということのようです。

 

気持ちを新たにしたのは、やはり

"いかにインプラントにしないように、歯を抜かないか"

 

歯医者の原点である、歯を残す、口腔健康維持の手助けをする、ということを忘れてはならないと考えてます。

 

と同時に、いままで同様、

"いかに可撤性義歯(入れ歯)にしないように、インプラントで噛み合わせを作るか"

ということも大切だと考えます。

 

今年も勉強勉強で、頑張ります。

 

大竹貫洋

2009年12月26日 (土)

Dr.ナダレンジャー

防災科学技術研究所に属しておられます、Dr.ナダレンジャーの動画をみました。

高層ビルと低層ビルはどちらが揺れるのか?

とても面白くて分かりやすい説明です。是非ご覧ください。

勝手な想像から、高層ビルのほうが最上階での揺れが大きいのか、と思ってしまいがちですよね。

 

我々歯科の研究分野でも、"硬い材料が壊れにくい"といったことが良しとされるわけではなく、適正な物性は、その位置や部位によって変わりますし。

 

今年は、ブログを書いてみなさんに情報をいっぱいおくるぞ!と思っておりましたが、なかなか日々の忙しさのせいにして、十分にはできませんでした。

 

来年こそ、分かりやすい情報を、ブログを通してお伝えしたいと思います。

 

皆様良いお年をお迎えくださいませ。

 

オオタケデンタルオフィス 院長 大竹貫洋

 

 

 

2009年11月28日 (土)

インプラント 骨の移植 リスクの分散

確かに、インプラントによっていろいろな意味で可能性は広がったように感じます。

ただ、それでもリスクををなるべく小さくすることは大切です。

移植骨の信頼性、インプラントの位置(審美性や機能性を考慮した)の妥当性、治療期間の短さ、予後の安定性等、我々医師は患者の利益、不利益になるかも知れないことを深く深く考えなければいけない。

術前のレントゲンには、4本分のインプラントを予定してマーキングがあります。

左から1,2,3,4とそのマーキングを呼ぶことにします。

1.の上に見える歯の根のような形をした骨の吸収像、これは抜歯をした後の像、骨は十分にありませんが、後方には骨が十分あります。

2.マーキングが5mmなので、分かりやすいですが、骨は2,3mmしか存在しません。

3.ここの骨は3,4mmです。

4.ここには、十分な骨が存在します。

 

 

A.B.pre.jpg

A.B.Pro.jpg

 

術後のレントゲンです。

2,3の部位のインプラントの周囲を見てください。

白い像がありますが、これが自家骨および人工骨の像です。

骨は、上顎洞の存在していた空間に"シュナイダー膜"という軟組織によって包まれながら存在しております。

1,4については、CTによって立体的に計測された骨の十分厚い場所に、"骨内"に位置させ、初期の固定、予後の安定の観点からも、少し傾斜をさせながら埋入しています。

 

4に関しては、この2次元レントゲンでは表現しきれない配慮もなされています。

機能性だけでない、"審美性"です。

 

尖った山のような骨にインプラントを打つことは大変難しいです。

その尖った山を、広げることで、また、頬側に骨を移植することで、もともとの歯のような膨らみのある歯肉形態を獲得しなければなりません。

 

入れ歯、によって、歯を失うスピードも速くなることもあります。

 

"現在ある歯を守る"ために、インプラントはとても大切な革新的発想であることは間違いのないことだと思います。

 

 

大竹貫洋

 

 

2009年11月21日 (土)

上顎のインプラントには前準備が必要な場合が多くあります

1枚目のレントゲンをみてもらいます。

奥歯(向かって右側が奥のほうです)に、白い丸〇のものが写っていますね。

その白〇の下(レントゲンでは向かって上)の硬組織について説明します。

A.F. pre.jpg

白〇の手前の歯(向かって左が手前の歯で、小臼歯と呼ばれています)の周りに、白い像、すなわち骨があります。

ところが、白〇の下(レントゲン向かって上)には黒い像、空洞(これを上顎洞と呼びます)があり、境界の白い部分(とはいってもほとんど認められませんが)が、問題となる"インプラントを打ちたい部位"ということになります。

 

その骨は1mm以下のもので、とうていこのままではインプラントは打てません。

 

そこでもう一枚のレントゲンをみてもらいます。

 

A.F. pro.jpg

 

このレントゲンは、インプラントを打とうと考えている部位に、骨を移植したレントゲンです。

骨は、上下的にボリュームが必要で、またコンデンセーションもされている必要があるので、この段階での骨量は十分とは思っておりません。

 

半年以上の経過の後に、短めのインプラントを、あるいは、更なる骨の準備を、ということになります。

 

 

大竹貫洋

2009年11月19日 (木)

デンタルクリニック高円寺 大橋先生

ブログの更新の仕方を忘れてしまいました...

 

 

私が尊敬する、高円寺でご開業しておられる デンタルクリニック高円寺大橋先生は、来月改装の予定です。

今回のリニューアルは、僕自身がとても楽しみにしていて、ロゴやらデザインやら、横からうるさく注文したりしております。

 

大橋先生は、とても"地味な性格"でして、見た目と違って"疑う医療""着実な前進"を実践されていて、その考え方にいつも共感いたします。

 

さて、大橋先生は、11月のこの一ヶ月を大変ゆったりと過ごされていて、毎週毎週当院に遊びにきてくれます。

もちろん、いろいろなディスカッション、大きなオペにも参加していただいております。

 

人工材料、特に人工骨は何を選択し、どのような手法が安定的で、失敗が少ないのかなど、とてもとても細かい話をしています。

 

昨日も、先週も、とてもとてもタフな症例を協力してもらいながら行いました。

 

写真でいつかアップします。

 

それと、石原先生(いしはらデンタルクリニック)も毎週水曜日、岩槻から来てくれます。

彼は、昨日のオペで、滅菌グローブで滅菌域でない場所を触ってしまい、当院スタッフに怒られてましたけど。

 

 

2009年10月26日 (月)

歯軋り はぎしり

噛み合わせがおかしいような気がする、噛んだときに違和感がある、どこで噛んだらいいのかわからない、という患者さんがいます。特に大学病院で非常に多く聞く訴えです。

もちろん、実際に噛み合わせの調整が必要な場合もあります。一方で、噛み合わせには問題がないのに症状が消えない患者さんもいます。

 

これらの誘引のひとつに歯ぎしり(ブラキシズム)や食いしばり(クレンチング)の習癖があげられます。歯ぎしり、食いしばりは顎関節やその周りの筋肉、歯に大きなストレスを与えるために、顎関節症や歯の破折を引き起こすこともあります。

 

こういった習慣を持つ患者さんの場合には、どんなに噛み合わせを調整しても、かぶせ物を作り直しても、症状が消えないことが多々あります。さらに習慣なので、これらをやめるようにする、ということは非常に困難で、長期にわたる治療になることが多いのです。

 

歯科医の間ではよく知られていることですが、一般にはあまり認識されていないので、かぶせ物や過去の治療のため、あるいは自分の歯並びのためではないかと悩まれる人が多いこともあり、今回ブログに書いてみました。

 

本を読んでいるとき、テレビを見ているとき、噛み締めていませんか。気づいたら意識して上下の歯を離してみましょう。こういう小さなことでも改善の一歩になるのだそうです。もちろん、症状に応じて本格的な治療が必要な場合がありますので、まずはご相談ください。

 

                      月曜担当 小椋